健康経営への取り組みについて
1. 健康に関する考え方
東亜石油グループでは、従業員の健康に投資し、従業員がやりがいを感じながら働く職場であることが企業の長期的な発展につながるという考えのもと、2022年に健康宣言を策定し、健康経営推進体制を構築しました。企業理念、HSSEに関する基本方針及び、健康診断結果や職場環境の情報に基づき健康経営を戦略的に推進し、従業員の健康増進と仕事へのやりがいがさらに向上することを目指しています。
東亜石油グループ健康宣言
東亜石油グループは、従業員一人ひとりが「こころ」「からだ」ともに健康で、やりがいを感じながら働くことができるよう、従業員と組織、両面の健康づくりを積極的に推進します。
東亜石油株式会社
代表取締役 大嶋 誠司
2. 健康経営の推進体制
代表取締役社長を健康経営責任統括者とする推進体制を整備しています。健康経営推進責任者である人事総務部長(執行役員)のもと、産業保健スタッフを含む人事課が中心となり計画を立案し、健康保険組合をはじめ、安全衛生委員会や労働組合などと連携しながら施策を展開しています。健康経営の方針や進捗状況等に関しては、定期的に経営会議に報告されます。2023年度より各職場から選出された健康活動推進者をメンバーとした健康経営推進者会議を毎月開催し、健康経営の理解・浸透に向けて体制を強化しました。
3. 健康経営で解決したい経営課題と戦略マップ
当社は健康経営で解決したい課題として、組織活性化のために
①従業員がこころとからだのセルフケアに努め、健康維持・増進すること
②仕事に対してやりがいを持ってポジティブに取り組むことと掲げ、
戦略マップに基づいた施策を実施することで課題の解決を目指しています。
4. 健康経営の目標と設定背景
従業員一人ひとりの健康状態の改善とやりがいを感じながら働くことが組織活性化 を高めるという認識のもと、プレゼンティーズムの低減、アブセンティーズムの改善、ワークエンゲイジメントの向上をアウトカム指標の最終KPIとして設定しています。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 目標 | |
プレゼンティーズム損失割合 | ー | ー | 22.9% | 19% |
アブセンティーズム | 3.7日 | 5.2日 | 5.7日 | 4.0日 |
ワークエンゲイジメント偏差値 | 49 | 48.9 | 49.2 | 50 |
・プレゼンティーズム損失割合(東大1項目版を用いて測定)
病気やけがのない時に発揮できる仕事の出来を100%として、過去4週間の自身の仕事を評価
2022年より測定尺度変更のため、2021年以前の実績値なし
・アブセンティーズム
傷病欠勤・休職制度の利用日数の全従業員平均
・ワークエンゲイジメント(新職業性ストレス簡易調査票より集計)
仕事に対するポジティブな心理状態
5. 当社の健康課題への取り組みとその結果
①禁煙推進の取り組み
当社では「喫煙率」が全国平均より高いことが課題となっています。喫煙はさまざまな疾病のリスク要因であるとともに、受動喫煙による健康影響防止の観点からも、「喫煙率の低減」を重要課題として位置づけています。産業医による禁煙推進セミナーや希望者への禁煙補助剤の無料配布を通して、禁煙を推進しています。2023年5月より禁煙タイムを導入し、従業員及び、構内協力会社にも禁煙推進の呼びかけを行っています。
②疾病発生予防・重症化予防の取り組み
従業員の健康状態を把握し、生活習慣病や脳・心疾患の防止と早期発見・早期介入のため、健康診断の事後措置を徹底しています。特に重症化リスクの高い従業員に対しては、産業保健スタッフによる保健指導や経過観察を行っています。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 目標 | |
精密検査受診率 | 100% | 100% | 94.1% | 100% |
保健指導率 | 100% | 100% | 100% | 100% |
血圧リスク者の割合 | 3.9% | 4.7% | 3.9% | 2.0% |
血圧リスク者治療継続率 | 69.2% | 81.0% | 70.6% | 100% |
・血圧リスク者:収縮期血圧160㎜Hg 以上または拡張期血圧100㎜Hg 以上の人の割合
・ウォーキングイベントの実施
健康保険組合とのコラボヘルスにより日々の健康行動が記録できるヘルスケアアプリの導入に加え、従業員に歩数計機能付きのウエラブル端末を無償配布しウォーキングを推奨しています。2022年11月に実施した社内ウォーキングイベントでは133名の参加があり、イベントを通して運動習慣機会の向上にも取り組んでいます。
③メンタルヘルスの取り組み
従業員一人ひとりの心の健康に寄り添うため、産業保健スタッフによる社内相談体制を整えています。メンタルヘルス不調の更なる未然防止を目的に、2023年度より社外オンライン相談窓口を導入しました。
また、メンタルヘルス研修やeラーニングの実施を通して従業員のセルフケア支援を促進し、早期発見・対処だけでなく、未然防止に力を入れています。
開催年度 | テーマ | 参加者数 |
2019年度 | 職場のコミュニケーション | 28人 |
2021年度 | セルフケアとマインドフルネス | 139人 |
2022年度 | アサーションで自己表現しよう | 317人 |
2020年度はコロナウイルス感染防止のため開催中止
・復職支援プログラム
復職支援プログラムでは、休職者や管理職の心構えのほか、復職までのロードマップ、必要な社内手続き、復帰条件などを明確に示すことで、休職者が安心して療養に専念し、復帰に向けた準備ができるように整備しています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
メンタル不調による欠勤・休職者数 | 7人 | 11人 | 19人 |
メンタル不調による欠勤・休職者の割合 | 1.4% | 2.3% | 3.9% |
年度内復帰者数 | 0人 | 2人 | 5人 |
年度内復帰者の割合 | 0% | 18.1% | 26.3% |
当年度中に連続1ヶ月以上欠勤・休職した従業員数
④職場活性化の取り組み
・やりがい調査
従業員の「やりがい・相互信頼・一体感」を定量的・継続的に分析し、抽出された課題をもとに従業員と経営層の直接対話の機会を創出しています。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
やりがいスコア | 62 | 61 | 60 |
・改善目安箱
従業員が会社に対しいつでも気軽に意見・質問ができる目安箱を社内イントラネット上に「ひらめきドットコム」として設置しています。目安箱に寄せられた意見については該当部署に働きかけて、職場環境の改善を随時行っています。
・職場健康活動推進者
各職場において自律的に健康経営の推進に向けた取り組みを行うために、健康活動推進者を選任しています。職場従業員の健康(K)を道案内(ナビゲート)してほしいという意味を込めて、愛称を「K‘sナビゲーター」としています。こうした従業員が起点となり、全従業員を巻き込みながら取組みを実施しています。
6.その他の取り組み
・季節性インフルエンザ感染防止対策
健康保険組合が費用を補助し、社内での予防接種を実施しています。
・がん対策
がん検診(大腸がん検診・胃がん検診・腹部超音波検査等)を定期健康診断項目に加えることで、若年層も受診できる体制を整えています。
・社内ライブラリー
従業員のリフレッシュ空間として、社内ライブラリーを設置しました。読書を通して社内コミュニケーションを促進させ、新たな視点・発想を創出する環境づくりに注力しています。
・部活動支援
会社の部活動(親和会)を推進し、従業員が運動をする機会をつくることで各自が健康な体づくりを進めることを支援しています。
→採用ページ(福利厚生→部活動)へのリンク
https://www.toaoil.co.jp/recruit/career/welfareprogram.htm
7.健康経営に関連する各指標
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% |
適正体重維持者率 | 62.0% | 64.2% | 64.4% |
運動習慣者比率 | 31.1% | 32.6% | 33.8% |
睡眠により十分な休養が取れている人の割合 | 75.2% | 72.2% | 72.3% |
飲酒習慣率 | 27.3% | 24.3% | 27.4% |
ストレスチェック受検率 | 84.7% | 97.8% | 97.2% |
高ストレス者率 | 13.5% | 14.1% | 13.7% |
平均勤続年数 | 19.1年 | 19.4年 | 18.7年 |
有給休暇取得率 | 77.6% | 88.7% | 87.9% |
男性育休取得率 | 20.0% | 37.5% | 12.5% |
8.投資額
ウォーキングイベントについては計183万円、ストレスチェックやメンタルヘルス不調の発生予防・早期発見に向けた施策について計45万円、がん検診については約230万円を投資し、健康経営の取組みを推進しています。(2022年度実績)
9.健康経営への取り組み支援活動
当社は健康経営に賛同し、当社の取り組み事例を含む健康経営に関する情報を資料にまとめ、お取引先へ情報提供等の支援を行っています。
10.外部評価
健康経営優良法人(大規模法人部門)
当社は健康経営に賛同し、当社の取り組当社の健康経営の取り組みが評価されたことから、「健康経営優良法人2023」の大規模法人部門に認定されました。健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を経済産業省が顕彰する制度です。
11.労働安全衛生の取り組み
東亜石油グループは「安全は全てに優先する」の信念のもと、協力会社と一体となり安全な職場づくりに取り組んでいます。
①労働安全衛生基本方針
(1) 全ての企業活動において、労働安全衛生に関する法令等の要求事項及び社内規程を順守する。
(2)労働安全衛生に与える危険源を特定し、適切なリスク低減対策を実施するとともに健康障害防止と健康増進の取組みを推進する。
(3) 当社で働く全ての人とのコミュニケーション(協議及び参加)を図り、労働安全衛生活動を実行するとともに、労働安全衛生に関する教育及び安全文化向上活動を実施する。
(4)労働安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善を行い、労働安全衛生水準の向上をはかる。
②安全衛生管理体制
③危険源の特定
所内で活動を行う全従業員は、作業手順・作業方法の中で不安全に結びつく要因を取り除く活動(職場巡視、KYT活動、ヒヤリハット活動、改善提案活動)に参加し、継続的改善に取り組んでいます。
④安全衛生委員会
労働安全衛生法に基づいた「安全衛生委員会」を設置し、毎月1回委員会を開催しています。安全衛生、従業員の健康増進及び施設の保安確保について審議しています。